生活困窮者とは?その定義と年収要件について

目次

生活困窮者の定義

法律における定義

生活困窮者とは、「生活困窮者自立支援法」の中で、最低限度の生活が維持できなくなるおそれのある者を指します

この法律は2013年に公布され、2015年4月1日から、生活困窮者の自立を支援するための制度が開始されました。

国際的な基準

国際的な基準で生活困窮者を定義する際には、主に「相対的貧困率」が用いられます。
相対的貧困率とは、国全体の所得分布の中央値の50%未満の収入しかない人々の割合を指します

相対的貧困は国や地域の状況を反映するもので、絶対的貧困とは異なります。
絶対的貧困は、先進国などでは殆ど見られません。

絶対的貧困とは、国・地域の生活レベルとは無関係に、生きるうえで必要最低限の生活水準が満たされていない状態を示します。私たちが一般に「貧困」と聞いてイメージするのはこちらでしょう。

現在では世界銀行の定めた国際貧困ラインを基準に、衣食住など、最低限必要とされる生活物資を購入できる所得または支出水準に達していない人々のことを絶対的貧困者と呼んでいます。

相対的貧困とは?絶対的貧困との違いや相対的貧困率についても学ぼう

生活困窮者の現状

主要な統計

日本における相対的貧困率は約15.7%とされており、次のように分析されています。

  • 60歳以上の高齢者が多い
  • 単身・ひとり親世帯が多い
  • 群部や町村居住者が多い

これはOECD主要国の中では7位に位置します。
G7の中では最も貧困率が高い結果となっています。

また、日本では7人に1人が貧困状態にあるとされています。特に子どもの貧困率は13.5%で、17歳以下の人口の7人に1人が貧困状態です。

ワーキングプアという問題も深刻で、働いているにもかかわらず貧困状態にある労働者のことを指します。
これには年収が200万円以下の人々が含まれ、また低所得者層として年収100万円以下の世帯も多く存在します。

生活困窮者の原因

生活困窮者が生じる原因は複雑で多岐にわたります。

まず、雇用の不安定さが一つの大きな要因です。
パートタイムやアルバイト、短期契約などの非正規雇用が増加しており、これによって安定した収入が得られない人々が増えています。

次に、所得格差の拡大も大きな問題です。
高収入層と低収入層の所得格差が広がる中、低所得者層が生活困窮者に陥りやすい状況が生まれます。

また、地域間の経済格差も生活困窮者を生む一因です。
特に地方部では、経済的な機会が少なく生活が困窮しやすい傾向にあります。

さらに、社会的なセーフティネットの不足も原因の一つです。
具体的には、健康問題や家庭内の問題、教育機会の不足などが複合的に影響し、生活困窮状態に陥るケースがあります。これらの要因が絡み合い、生活困窮者の増加を招いているのです。

年収要件と目安

生活困窮者の年収要件

生活困窮者の具体的な収入制限は定められていませんが、住宅確保給付金や一時生活支援事業などの支援制度では、一定の収入の目安が設定されています。

例えば水戸市の一時生活支援事業における収入基準は下記のとおりです。

  • 単身世帯 116,400円
  • 2人世帯 166,000円

支援制度

日本では生活困窮者を支援するためにさまざまな制度が整備されています。

これらの支援制度は、生活困窮者が安定した生活を取り戻すための手助けをすることを目的としています。
以下に代表的な支援制度を紹介します。

生活保護制度

生活保護制度は、生活困窮者に対して国が最低限度の生活を保障するための制度です。

この制度では、経済的に困窮した個人や世帯に対して生活費や住宅費などを支給します。
対象者は収入が基準以下であることが条件となりますが、具体的な収入制限はありません。

また、生活保護を受けながらも健康で働ける人には、就業支援も行われることがあります。

生活困窮者自立支援制度

具体的には、住宅確保給付金や一時生活支援事業などが提供されており、これにより収入が低い家庭や個人が生活の基盤を整えるための支援が受けられます。

生活困窮者自立支援制度は、生活保護を受ける前段階の支援として位置づけられており、年収制限は明確ではありませんが、平均的な生活困窮者の年収は200万円以下として設定されていることが多いです。

さらに、この制度では相談窓口を設置し、専門の支援員が生活や就業の相談に応じるなど、多角的な支援を行っています。

生活困窮者への支援の必要性

支援がもたらす効果

生活困窮者への支援は彼らの生活の安定だけでなく、社会全体にも非常に大きな効果をもたらします。

まず、生活困窮者に対する支援制度は、経済的な困難を抱える人々に最も必要な支えを提供します。
これにより、生活困窮者は最低限度の生活を維持でき、更なる悪循環に陥るリスクが減少します。

また、教育や技能訓練、就労支援などの自立支援が組み込まれているため、生活困窮者が自立するための道筋が整います。

このような支援は、長期的に見ても彼らの年収向上につながり、生活の質も向上します。

社会全体への影響

生活困窮者への支援が行き届くことで、社会全体へのポジティブな影響も期待されます。

まず、貧困問題の改善は犯罪の減少にもつながります。
生活困窮者が経済的に安定することで、窮余の策として犯罪に走るリスクが減少します。

また、生活困窮者の健康状態が改善されることで、医療費や社会保障費の削減にも寄与します。

さらに、生活困窮者が経済的に自立し、年収を増やせば、消費も活発になり経済全体の活性化に貢献します。
これらの効果は一部の人々にとどまらず、社会全体の持続可能な発展に貢献する重要な要素と言えるでしょう。

茨城の生活困窮者自立支援

住むところの相談や生活の安定に向けた支援を行っています。
必要なヒト・モノ・コトがあれば、人生のバックヤードにご相談下さい。

soratobunezumi合同会社は、茨城県居住支援法人第8号です。

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