生活保護可の物件なのに入居できない?賃貸保証会社の審査を知らないと起きること

「生活保護可」と書いてある物件を見つけて安心していたのに、いざ申し込んだら入居を断られた。

そんな経験をしたことはありませんか?

実は、物件情報に「生活保護可」と書いてあっても、それだけでは入居できるとは限りません。
多くの場合、賃貸保証会社の審査という、もう一つの大きなハードルが待っているのです。

この記事では、賃貸保証会社とは何か、なぜ「生活保護可」の物件なのに入居できないのか、そして審査に落ちたときにどうすればいいのかを、わかりやすく解説していきます。

目次

「生活保護可」なのに住めなかった-よくあるケース

まず、実際に起きているケースを見てみましょう。

Aさんの場合(40代・生活保護受給中)
  1. 不動産サイトで「生活保護可」の物件を発見
  2. 不動産会社に連絡して内見
  3. 「この物件いいですね、申し込みます」
  4. 「では保証会社の審査がありますので」
  5. 数日後「申し訳ございません、審査が通りませんでした」

Aさんは「生活保護可」と書いてあったのに、なぜ?と混乱しました。
不動産会社からは「保証会社が・・・」という説明を受けましたが、そもそも保証会社って何?という状態でした。

何が起きているのか

「生活保護可」という表示は、大家さん(物件のオーナー)が生活保護の方を受け入れる意思があるということです。

しかし実際には、もう一つの関門があります。
それが「賃貸保証会社の審査」なのです。

賃貸保証会社って何?なぜ必要なの?

保証会社とは「保証人の代わり」をする会社

昔は賃貸契約をするとき、「連帯保証人」が必須でした。
家族や親戚に「もし家賃が払えなくなったら代わりに払ってね」とお願いする、あれです。

でも、昨今では保証人を頼める人がいない。
そういう人が増えてきました。

そこで登場したのが賃貸保証会社です。

保証会社は、入居者が家賃を滞納したときに、大家さんに代わって立て替えて支払う会社です。 入居者は保証会社に保証料を払うことで、保証人なしで賃貸契約ができるようになります。

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最近では、保証人を立てられる人でも、保証会社の利用を必須とする物件が大半です。

理由は簡単で、大家さんや管理会社にとって、家賃滞納のリスクを確実に回避できるからです。

つまり

  • 保証人不要 = 保証会社を使えば契約できる
  • 保証会社必須 = 保証人がいても保証会社の審査が必要

ということです。

賃貸契約の本当の流れ:最終判断は保証会社

ここが重要なポイントです。

実は、多くの大家さんは「生活保護でも構わない」と思っています。
なぜなら、生活保護は国から確実に家賃が支払われるため、むしろ安定した収入源だからです。

しかし、大家さんはこう言います。

「保証会社が通ればOKです」

つまり、大家さん自身は受け入れる意思があっても、保証会社の審査に通らなければ契約できないという仕組みになっているのです。

「生活保護可」という表示は

  • 大家さんが生活保護受給者の入居を認めている
  • 保証会社が生活保護受給者を審査で通すとは限らない

この2つは別の話なのです。

だから、「生活保護可」と書いてあっても入居できないことがあるのです。

保証会社は入居者が選べない

もう一つ、重要なポイントがあります。

保証会社は、入居者側では選べません。

保証会社は、大家さんや管理会社が契約している会社が決まっています。
「この会社は生活保護に厳しいから、別の会社にしてください」とお願いしても、変更してもらえないのが現実です。

つまり

  • 入居者は、その会社の審査を受けるしかない
  • 物件ごとに保証会社が決まっている
  • 審査基準は会社によって大きく異なる

だからこそ、どの保証会社を使っている物件なのかが重要になってくるのです。

賃貸保証会社の種類と生活保護への対応

賃貸保証会社には、大きく分けて3つの種類があります。
そして、生活保護受給者への対応は会社によって大きく異なります。

1.信販系保証会社

信販系保証会社は、主にクレジットカード会社などの金融機関が母体となっています。
収入の安定性や信用情報を重視するため、生活保護受給者が審査に通るのは非常に難しいです。

代表的な会社
  • オリコフォレントインシュア
  • エポスカード
  • ジャックス
  • アプラス
  • セゾン
  • ライフカード
特徴
  • クレジットカード会社などの金融機関が母体
  • 信用情報(クレジットヒストリー)を厳格にチェック
  • 過去の滞納歴、ブラックリスト入りなどを確認

生活保護受給者への対応:ほぼ通らない

2.LICC系保証会社

LICC(一般社団法人 全国賃貸保証業協会)とは: 不動産業者や賃貸オーナーの連携によって形成された業界団体に加盟している保証会社のこと。

会社によって差はありますが、基本的には厳しい審査基準を持っています。

特徴
  • 不動産業界のニーズを反映した審査基準
  • 加盟会社間で滞納情報を共有
  • 業界の動向に応じた運営

生活保護受給者への対応:厳しめ

3.独立系保証会社

独立系の保証会社は、過去の滞納履歴や信用情報をあまり重視せず、無職や生活保護受給者でも審査に通る可能性があります。

たとえば、フォーシーズ株式会社は98%以上の高い審査通過率を誇り、生活保護の方でも審査対象としています。

代表的な会社
  • フォーシーズ株式会社
  • 日本セーフティー
  • Casa(カーサ)
特徴
  • 特定の金融機関に依存しない独自運営
  • 審査基準が比較的柔軟
  • 多様な顧客ニーズに対応

生活保護受給者への対応:可能性がある

現実は独立系でも通りにくくなってきている

ただし、ここで残念なお知らせがあります。

近年、生活保護でも通る保証会社が減ってきています。
以前は比較的柔軟だった独立系の保証会社でも、審査基準が厳しくなってきているケースがあります。

理由としては

  • 滞納リスクの増加
  • 保証会社自身の経営リスク管理
  • 社会情勢の変化

このため、「独立系なら大丈夫」とは言い切れなくなってきているのが現状です。

審査に通りにくい人の特徴

保証会社の審査に通りにくい人には、いくつか共通する特徴があります。

特徴理由
収入が低い(家賃の3倍に満たない)支払い能力の不安
不安定な職業(自営業、水商売など)継続的な収入の不確実性
返済中の借金がある多重債務のリスク
クレジットカードなどの支払いを滞納している信用情報に傷がある
ブラックリストに載っている過去の金融事故
生活保護受給中保証会社の方針による

もし当てはまる場合は、住まい探しが難しくなる可能性があります。
でも、諦める必要はありません。

審査に落ちたらどうする?諦めないための選択肢

保証会社の審査に落ちてしまった。 そんなときでも、まだ道はあります。

別の保証会社を使っている物件を探す

一つの保証会社に落ちても、別の保証会社なら通る可能性があります。

具体的な行動
  • 不動産会社に「独立系の保証会社を使っている物件はありますか?」と聞く
  • 複数の不動産会社に相談する
  • 「フォーシーズ」「日本セーフティー」など、生活保護に対応している会社名を伝える
居住支援法人に相談する

居住支援法人とは、住まいを見つけにくい人(高齢者、障害者、生活保護受給者など)の入居を支援する団体です。

居住支援法人ができること
  • 住宅セーフティーネット住宅の入居者への家賃債務保証
  • 賃貸住宅への入居に係る情報提供・相談、見守り

 ※ただし全ての業務を行っているわけではありません

茨城県内にも居住支援法人があります。
たとえば、私たち「soratobunezumi合同会社」も居住支援法人として活動しています。

住宅確保要配慮者居住支援法人の指定-茨城県

保証会社不要の物件を探す

数は少ないですが、保証会社を必須としていない物件もまだ存在します。

公営住宅(県営・市営住宅)
  • 保証会社不要
  • 収入に応じた家賃設定
  • 申し込みには条件あり
一部の民間賃貸物件
  • 大家さんが直接管理している物件
  • 保証人がいれば保証会社不要のケースも
福祉的な住宅
  • NPOや社会福祉法人が運営
  • 生活支援付きの住まい
自治体の住宅担当窓口に相談する

市区町村の福祉課や住宅課に相談すると、以下のような情報が得られることがあります。

  • 住居確保給付金などの制度案内
  • 公営住宅の申し込み情報
  • 地域の居住支援法人の紹介
  • 緊急的な一時宿泊施設の情報
生活保護のケースワーカーに相談する

生活保護を受給している場合、担当のケースワーカーに住まい探しの相談をしてみましょう。
以下のような情報が得られることがあります。

  • 住宅扶助の基準や手続きを説明してくれる
  • 生活保護受給者を受け入れている不動産会社の情報を持っていることがある
  • 必要に応じて住宅課や居住支援法人につないでくれる

審査を受ける前に準備できること

保証会社の審査を少しでも有利に進めるために、事前に準備できることがあります。

必要書類をしっかり揃える

審査に必要な書類を不備なく提出することで、印象が良くなります。

一般的に必要な書類
  • 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 収入証明書(生活保護の場合は保護決定通知書)
  • 住民票
  • 印鑑証明書(場合による)
生活保護受給者の場合
  • 生活保護受給証明書
  • 保護決定通知書
  • ケースワーカーの連絡先

相談支援機関との連携を伝える

「生活困窮者自立支援制度」の相談窓口や居住支援法人と連携していることを伝えると、「この人は支援を受けながら生活を立て直そうとしている」という印象を与えられます。

丁寧なコミュニケーションを心がける

不動産会社や保証会社とのやり取りで大事なことがあります。

  • 連絡はできるだけ早く返す
  • わからないことは素直に質問する
  • 書類提出の期限を守る

こうした基本的な姿勢が、信頼につながります。

保証会社が提供する保証内容

参考として、保証会社が提供する保証内容についても触れておきます。

基本的な保証内容

ほとんどの保証会社が保証する項目
  • 賃料等(賃料・管理費・共益費・駐車場利用代など)
  • 変動費(水道・ガス等)
  • 賃料等相当損害金
  • 原状回復費用

付帯サービス

保証会社によっては、以下のような付帯サービスを提供していることもあります。

  • 提携フードバンクによる食料支援
  • 公的支援制度の案内
  • 住み替え物件の紹介
  • 安否確認サービス
  • 火災保険の斡旋

ただし、審査に通らなければこれらのサービスも受けられないため、まずは審査通過が第一歩です。

賃貸保証会社の今後と課題

不動産市場における役割の変化

保証会社は、近年の不動産市場においてますます重要な役割を担うようになっています。

以前は大家さんや不動産仲介業者が直接、入居希望者と契約を行うことが一般的でしたが、現在では「保証会社の審査」が一層重視されるようになりました。

この背景には

  • 核家族化による生活スタイルの変化
  • 保証人を頼める人の減少
  • 大家側のリスク管理の強化

こうした流れがあります。

今後の課題-誰もが住まいを確保できる社会へ

保証会社の普及は、保証人がいない人にとっては良い面もあります。

しかし同時に、保証会社の審査に通らない人は住まいを確保できないという新たな問題も生んでいます。

特に

  • 生活保護受給者
  • 高齢者
  • 障害者
  • 外国人
  • 低所得者

こうした人たちが、保証会社の審査というハードルによって住まいを失う、または確保できないケースが増えています。

登録家賃債務保証業者制度

国土交通省は、「住宅セーフティネット法」に基づき、登録家賃債務保証業者制度を設けています。

この制度に登録された保証会社は、一定の要件を満たした事業者として認められています。

国土交通省:登録家賃債務保証業者一覧

ただし、登録業者であっても、生活保護受給者への対応は会社によって異なります。

まとめ:諦めずに相談を

「生活保護可」と書いてある物件なのに入居できない。
その理由は、保証会社の審査という見えないハードルがあるからなのです。

茨城の生活困窮者自立支援

住むところの相談や生活の安定に向けた支援を行っています。
必要なヒト・モノ・コトがあれば、人生のバックヤードにご相談下さい。

soratobunezumi合同会社は、茨城県居住支援法人第8号です。

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