高齢の方や単身者の住まい探しをしていると、こんな壁にぶつかることがあります。
- 「高齢者は孤独死のリスクがあるから貸せない」と断られる
- 「万が一のときの残置物処理が不安」と管理会社に言われる
- 保証人もなく、身寄りもない方の入居交渉が進まない
- 大家さんが納得してくれる「安心材料」が見つからない
残置物リスクは、大家さんが入居を断る理由の中でも根強いものの一つです。
でも、この問題に法的根拠を持って対応できる制度が整いました。
それが「残置物処理等業務」です。
残置物処理等業務とは
制度の背景
単身高齢者や生活困窮者が賃貸住宅を借りにくい理由の一つに、「入居者が亡くなった後の残置物をどうするか」という問題があります。
従来は法的な根拠が曖昧なまま、大家さんや管理会社が対応せざるを得ないケースも多くありました。
これが「リスクが高い入居者は断る」という判断につながっていました。
この問題を解消するために整備されたのが、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法)第64条第1項第2号に基づく残置物処理等業務です。
令和6年の通常国会において、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律等の一部を改正する法律」(令和6年法律第43号。以下「改正法」という。)が成立し、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法)が改正されました。また、同法は令和7年10月1日に施行されました。
改正法では、以下の3点を柱として、要配慮者が安心して生活を送るための基盤となる住まいを確保できるよう、賃貸住宅に円滑に入居できるための環境の整備を推進することとしています。引用元:住宅セーフティネット法等の一部を改正する法律について/国土交通省
制度のポイント
残置物処理等業務を行うには、居住支援法人が都道府県知事の認可を受ける必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰が行うか | 都道府県知事の認可を受けた居住支援法人 |
| いつ有効になるか | 賃借人が生前に同意しておくことが前提 |
| 何ができるか | 死亡・行方不明後の残置物の調査・整理・処分の支援 |
| 法的根拠 | 住宅セーフティネット法 第64条第1項第2号 |
重要なポイント:生前の同意が必要です
この制度を活用するには、入居者が生前に残置物処理について同意しておくことが必要です。
入居時の契約と合わせて、同意書を取り交わしておくことで、万が一のときに法的根拠を持った形で対応できます。
これにより、大家さんは「何かあったときに対応してくれる仕組みがある」という安心感を持って入居を判断できます。
認可を受けた居住支援法人ができること
認可を受けた居住支援法人は、以下の業務を行うことができます。
- 入居者の死亡・行方不明後における残置物の調査・整理・処分の支援
- 賃貸借契約終了後の残置物に関するオーナー・相続人への対応支援
- 生活困窮・孤立状況にある方の退去時における荷物整理・処分のサポート
- 残置物処理に係る関係機関(行政・法律専門家等)との連携・橋渡し
茨城県で残置物処理等業務の認可を受けた居住支援法人
残置物処理等業務は、都道府県知事の認可を受けた 居住支援法人のみが行える業務です。
現在確認できている法人を都道府県別に掲載しています。
情報は随時更新予定です。
| 都道府県 | 法人名 | 対応エリア | お問い合わせページ |
|---|---|---|---|
| 茨城県 | soratobunezumi合同会社 | 茨城県内 | https://livebank.soratobunezumi.co.jp/zantibutu/ |
支援者はこの制度をどう活用できるか
「残置物リスク」を理由に断られたときの交渉材料
大家さんが入居を断る理由として「残置物リスク」を挙げた場合、この制度の存在を伝えることで交渉の突破口になることがあります。
「認可を受けた居住支援法人が、生前同意のもとで残置物処理を法的根拠を持って対応します」と伝えることで、大家さんの不安を具体的に解消できます。
支援者として入居をサポートする際には、入居契約と同時に残置物処理に関する同意書を取り交わしておくことをおすすめします。
これが後々の大家さんとの信頼関係にもつながります。
他機関との連携にも活用できる
行政・ケースワーカー・法律専門家などと連携しながら対応できる体制があることを、支援の現場で共有しておくと、連携がスムーズになります。


よくある質問
- この制度はどこの居住支援法人でも使えますか?
-
都道府県知事の認可を受けた居住支援法人のみが行える業務です。
認可を受けているかどうかを事前に確認してください。
- 生前同意はどのタイミングで取り交わせばいいですか?
-
入居時の契約と合わせて取り交わしておくことが理想的です。
入居後でも同意を取ることは可能ですが、早めに対応しておくと安心です。
- 残置物の処分費用は誰が負担しますか?
-
費用負担については、契約内容や状況によって異なります。
事前に取り決めておくことをおすすめします。詳しくはご相談ください
- 行方不明になった場合も対応できますか?
-
費用負担については、契約内容や状況によって異なります。
事前に取り決めておくことをおすすめします。
詳しくはご相談ください。 - 高齢者以外も対象になりますか?
-
生活困窮状態にある方や孤立状況にある方の退去時の荷物整理・処分サポートも対象です。
- 相続人がいる場合はどうなりますか?
-
相続人がいる場合は、相続人への対応支援も行います。
状況に応じて行政や法律専門家と連携しながら対応します。
- 大家さんへの説明はどうすればいいですか?
-
支援者から大家さんへの説明の際に、認可番号や根拠法令を示すことで信頼感が増します。
必要に応じて居住支援法人と一緒に大家さんへの説明の場を設けることも可能です。
- 茨城県以外でも使えますか?
-
livebank(soratobunezumi合同会社)での現在の認可は茨城県知事による認可です。
他県での対応については、各都道府県の居住支援法人をご確認ください。
- 相談はどこにすればいいですか?
-
残置物処理や入居者退去後の対応についてお困りのオーナー様、支援機関・行政の担当者様からのご相談を承っています。
お気軽にお問い合わせください。
- この制度ができる前はどうしていたのですか?
-
法的根拠が曖昧なまま大家さんや管理会社が対応せざるを得ないケースが多くありました。
この制度により、法的根拠を持った形で対応できるようになりました。
まとめ:制度を知って、支援の選択肢を増やしましょう
「残置物リスクがあるから貸せない」という壁は、これまで多くの支援現場で経験してきた課題です。
認可を受けた居住支援法人による残置物処理等業務は、その壁を乗り越えるための具体的な手段の一つです。
制度を知っておくことで、大家さんへの交渉の突破口になります。
入居時の同意書取り交わしを習慣にすることで、万が一のときも法的根拠を持って対応できます。
一緒に、住まいの支援の選択肢を広げていきましょう。
残置物処理等業務のご相談はsoratobunezumi合同会社へ
soratobunezumi合同会社は、令和8年(2026年)5月1日に茨城県知事より残置物処理等業務規程の認可(住第273号)を取得しました。
入居者の死亡・行方不明後の残置物対応や、生活困窮状態にある方の退去時サポートなど、法的根拠を持った形で対応しています。
※お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

