高齢者を受け入れたいけど不安。残置物処理の費用と事前にできる備えとは

「高齢の方から入居の相談を受けた」
「受け入れてあげたい気持ちはある。でも、万が一のことを考えると、どうしても踏み切れない」

そんな思いを抱えている大家さんは、少なくありません。

高齢者の入居を断る理由の多くは、偏見ではなく「万が一のときに何をすればいいかわからない」という不安です。
特に、残された荷物(残置物)の処理については、費用も手順もわからないまま不安だけが膨らんでしまいがちです。

この記事では、残置物処理の仕組みと費用の目安、そして事前にできる備えをわかりやすくお伝えします。

目次

残置物処理とは

残置物処理とは、入居者が亡くなったり、入院・施設入所などで部屋に戻れなくなったときに残された家財・荷物を片付ける業務のことです。

2021年に国土交通省・法務省が「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を策定しました。
これにより、一定の要件を満たした居住支援法人が、入居者から事前に委任を受けて残置物処理を進める仕組みが整備されています。

つまり、大家さんが一人で抱え込まなくても済む仕組みが、すでに制度として存在しているのです。

残置物処理の費用相場

費用は部屋の広さ・荷物の量・作業内容によって異なります。

以下はあくまでも目安です。実際の費用は業者に見積もりを依頼してご確認ください。

残置物処理(不用品回収)の目安
広さ作業員料金(税込)
1LDK3名88,000円〜
2DK3名132,000円〜
2LDK4名165,000円〜
3DK5名198,000円〜
3LDK6名220,000円〜

孤独死などで特殊清掃が必要な場合は、残置物処理とは別に費用が発生します。
状況にって大きく異なりますが、1,000,000近い費用がかかったという声もありました。

荷物の量・状況によって変動しますので、複数の業者から見積もりを取って比較することをおすすめします。

事前にできる3つの備え

「万が一のとき」に慌てないために、入居前に準備しておけることがあります。

① 残置物処理等委任契約を結んでおく

入居者が元気なうちに、居住支援法人と「残置物処理等委任契約」を結んでおきます。
これにより、万が一の際に居住支援法人が法的根拠を持って残置物処理を進めることができます。

賃貸借契約の解除と残置物の処理に関する委任契約を同時に締結することも可能です。
もしもの時に、大家さんが一人で対応する必要がなくなります。

② 緊急連絡先を確認しておく

入居時に緊急連絡先や身元保証人を確認しておきましょう。
遺族や親族に連絡できる体制があるだけで、いざというときの対応がスムーズになります。

身寄りがない方は、福祉・生活のサービスの利用状況など関係者リストを作成することも有効です。

③ 見守りサービスを活用する

定期的な安否確認の仕組みを整えておくことで、異変の早期発見につながります。
早期発見は、特殊清掃が必要になるリスクを下げることにもつながり、大家さんの負担軽減にもなります。

最近ではICTによる見守り機器も様々なものが販売されています。
wifiの有無やモニターなしなど、生活に負担がかかりにくいものもありますので、居住環境に応じて選択しましょう。

実際に使用しているICTを使った見守りサービス

よくある質問

残置物処理の費用は誰が負担しますか?

基本的には入居者の遺族や本人が負担します。

遺族が見つからない・資力がない場合は大家さんが負担するケースもあるため、事前に費用負担の取り決めを契約書に明記しておくと安心です。

遺族が見つからない場合はどうなりますか?

事前に居住支援法人と残置物処理等委任契約を結んでいれば、法的根拠を持って対応を進めることができます。

契約がない場合は法的手続きが必要になり、時間と費用がかかることがあります。

荷物を自分で処分してしまっても大丈夫ですか?

勝手に処分すると、遺族から損害賠償を求められるリスクがあります。

必ず専門業者や居住支援法人に相談してから対応するようにしてください。

委任契約は入居後でも結べますか?

入居者が判断能力のある状態であれば、入居後でも結ぶことができます。

ただし、入居前に結んでおく方がスムーズです。

特殊清掃が必要かどうか、どうやって判断しますか?

専門業者が現地を確認した上で判断します。

まずは見積もり依頼の際に状況を伝えてください。

高齢者を受け入れる際に加入できる保険はありますか?

孤独死リスクをカバーする「孤独死保険」や残置物処理費用を補償する家賃保証商品があります。

居住支援法人に相談すると、こうした保険についても案内してもらえます。

残置物の中に貴重品があった場合はどうなりますか?

貴重品は遺族に引き渡すことが原則です。

遺族が見つからない場合は、適切な保管と記録が必要になります。
居住支援法人が間に入ることで、こうした対応もサポートできます。

残置物処理業者はどうやって選べばいいですか?

一般廃棄物収集運搬業の許可を持っているか、見積もりが明確かどうかを確認しましょう。

複数の業者から見積もりを取って比較することをおすすめします。

居住支援法人にはどのタイミングで相談すればいいですか?

問題が起きてからでは対応が難しくなることもあります。

高齢者の入居を検討している段階で、早めに相談することをおすすめします。

当法人は茨城県居住支援法人の指定を受けており、残置物処理等業務の認可(住第273号)も取得しています。
入居前の相談から残置物処理の手配まで、お気軽にご相談ください。

まとめ:安心して受け入れるために

「受け入れたいけど不安」という気持ちは、とても自然なことです。

でも、事前に備えておくことで、その不安はかなり小さくなります。

  • 残置物処理には「委任契約」という仕組みがあり、大家さんが一人で抱え込まなくて済みます
  • 費用の目安を知っておくことで、突然の出費に慌てなくて済みます
  • 見守りサービスや緊急連絡先の整備で、早期対応できる体制が作れます
  • 困ったことがあれば、居住支援法人に相談してください

高齢者の方が安心して暮らせる住まいは、大家さんの「受け入れてみよう」という一歩から始まります。
不安なことがあれば、ぜひ一緒に考えましょう。

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